2018年初頭の湾岸中古タワーマンションの相場情勢が、エリア毎にどうなっているのか分析するエントリの第二回。今回は晴海編です。晴海エリアの分譲マンションは築古を含めるとかなりありますが、1999年の晴海アイランドトリトンスクエアビュータワーを皮切りにタワーマンションが立ち並ぶことになりました。
いま、パークタワー晴海とドゥトゥールという2物件が分譲中で、東京2020オリンピックの選手村が建設中、という2018初頭の晴海エリア中古マンション相場を分析します。
今回の調査対象マンションは、以下となります。
晴海アイランドトリトンスクエアビュータワー(1999)
ザ・晴海レジデンス(2009)、晴海テラス(2009)
写真左側2棟目:ベイシティ晴海スカイリンクタワー(2009)、写真中央の2棟:ドゥ・トゥール(2015・分譲中)
写真中央:ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンス(2013)、写真左:ザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロレジデンス(2016)
(ソフトタウン晴海の皆様ごめんなさい)
まずはこの直近2年間である2016年と2017年の成約事例坪単価を「晴海ビュータワー」「スカイリンクタワー」「晴海レジデンス/テラス」「クロノ/ティアロ」「ドゥ・トゥール」の5グループにざっくり分けて色分けした散布図がこちらとなります。
(各事例グラフはクリックすると大きくなります)
スカイリンクタワーの事例は他グループと比べて少なかったので線形近似は入れてません。こうみると、ドゥ・トゥール(坪400)とクロノティアロ(坪330)と晴海ビュータワーと晴海レジ/テラス(坪250)の3つの群に別れるかと思います。ちなみにスカイリンクタワーも坪330くらいのラインとなります。
個別に見ていきましょう。
ドゥ・トゥール:
見やすくするため、各グループで横軸の坪単価を変化させていることをご承知おきください。
すごい。最上階ではない通常フロアにも関わらず、坪400オーバーもちらほら。将来近くなることが確定しているとはいえ、現状で勝どき徒歩9分のタワーの相場とは思えないくらい強気の相場です。住友が低層階を坪330~のプライスで売っているので、眺望が良好な高層階はかなり強気の成約が付いています。まさに住友マジック。
やはり、「このタワーマンションは特別なのです」というためのロビーがいかに大事か、というのがよくわかりますね。
ザ・パークハウス晴海タワーズ兄弟:
(各事例グラフはクリックすると大きくなります)
お隣、パークタワー晴海の南・東側住戸がまさかの超強気値段だったことも相まって、去年はかなり成約がつきました。坪単価が低いのは北向きがメインですが、坪310前後でも運河が見える南・東住戸もありますね。一番高い成約はプレミアムフロア階です。
クロノレジデンス・ティアロレジデンスの兄弟は、世界的建築家リチャードマイヤーがデザインしたこともあって、この辺りの湾岸タワーマンションとは一線を画しためちゃくちゃカッコいい外観です。隅田川と空の青に白いタワーが映えます。デザイン面と開放感の両立は湾岸随一です。
ザ・晴海レジデンス・晴海テラス:
コスモイニシアの兄弟マンションである晴海レジデンス・テラス。レジデンスがファミリー向けマンションでテラスが単身・DINKS向きです。レジデンスは長谷工板状ですが、決して仕様は悪くないのでオススメできるマンションです。駐車場も中央区ということを考えれば破格レベル。
板状とはいえ、東京都中央区の築浅マンションなの?と思うくらいのお求めやすい坪単価といえそうです。しかし、道路挟んだ目の前ドゥ・トゥールは坪150万円も違うってすごいですね。
晴海アイランドトリトンスクエアビュータワー:
このエリアのタワーマンションの中では最古参グループとなる晴海ビュータワー。旧筆頭売主はなんと石川島播磨重工業です。タワマンにつきものの共用施設はほぼ皆無ですし、さすがにいま見学すると仕様の古さをいろいろ感じてしまうのですが、足元の植栽はいい感じで育ってますし、この価格で月島徒歩7分表示のマンションに住めるならそれもありかなーと思えます。晴海トリトンスクエアもすぐ近くですし、月島駅前も日常使いできますから。
というくらいの相場観となります。
さて、いまの在庫状況はどうなっているかといいますと、以下の散布図となっています。スカイリンクタワーの売出しはありませんでした。
(各事例グラフはクリックすると大きくなります)
うーん、ノーコメント笑。成約事例からするとかなり強気の値段が目立つグラフですね。あまり意味があるとも思えないのですが、上記全成約を青・在庫を赤で表示すると以下の結果となります。坪250級から坪400級のマンションを1つにまとめているので、あくまでも全体傾向ということで。
ドゥ・トゥールやティアロレジデンスは転売目的の買いも多かったので、相場より高いワンチャン狙いの売り出しもありますね。全体的に、晴海の将来性を信じた売主強気といった情勢でしょうか。
次回は江東区にまた戻ります。
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