今回は、あまり湾岸やマンション購入というよりも興味本位のエントリです。のらえもん、マンションを探す前は自分のこだわり戸建ても考えていた時期がありまして、土地を買ってその上に立派な上物を・・・と考えると予算が足りなさ過ぎて愕然とした覚えがあります。
土地の値段が高すぎて自分が求める広さが実現できない場合、解決方法の一つとして地下室を作るというやり方があります。
自分の土地に建物を建てる場合、大きく二つの数字が建物の大きさを規定します。1つは建蔽率で土地面積に対しての建築面積のことで1階部分の最大の大きさがこれで決まります。たとえば100平米の土地で建蔽率が50%なら、建築面積は50平米です(建蔽率には緩和措置もあります)。
もう一つは容積率で、延べ床面積/土地面積=容積率となります。容積率100%で面積100平米の土地には、延べ床面積100平米の建物が建てられます。
地下室は、住宅全体の延べ床面積の合計3分の1を限度として容積率算定上の延べ床面積から除外する規定があります。上記の土地の場合は、地下室を入れれば150平米の家が建てられるのです。
地下室は防音に優れるため、音楽室やシアタールームを作るのに最適です。一時期、ホームシアターにはまっていた私は地下室込みでどういう家が建てられるか検討していた時期がありました。地下室は建築坪単価が上がってしまうので、土地単価が高くないと意味が無いので損益分岐点を探したり、、、とそれは別の物語となりますね。
さて、上記は前フリでして、本題はこんなニュースを目にしました。
完成直前マンションに「高さ制限違反」 建築確認を取り消す判決
NHK 11月29日 21時20分来年3月に横浜市に完成する予定のマンションをめぐって周辺の住民が起こした裁判で、東京地方裁判所は「最上階の部分が建築基準法の高さ制限に違反する」として、検査機関が行った建築確認を取り消す判決を言い渡しました。
横浜市金沢区に建設されているマンションの周辺の住民は、「高さが建築基準法に違反している」などとして、建築確認を行った民間の検査機関に対して取り消しを求める訴えを起こしました。周辺の建物は地面からの高さが10メートル以下に制限されていて、裁判では、会社側が敷地内に設けた高さ3メートルの柱のような構造物を「地面」と考えるかどうかが争われました。29日の判決で、東京地方裁判所の谷口豊裁判長は、「構造物は周囲の地面とは連続性、一体性を欠き、『地面』とみるにはいささか無理がある」と指摘し、2棟のうち1棟は最上階の部分が制限を超えているとして、建築確認を取り消しました。
先ほどの容積率緩和措置は戸建てだけでなく、マンション全体にも適用することができます。たとえば5階建てマンションに見える物件でも、4階・地下1階のようなマンションも作ろうと思えば作れます。ただ、単純な地下室だと窓が作れないので、地下一階はそのままでは売り物になりませんね。
でも、崖地ならどうでしょう?
地盤面より地下階でもベランダの採光・通風が確保できますし、地盤面は崖地の上なので地下階からでも眺望が楽しめます。ということで、このタイプのマンションは一時期大流行しました。横浜の首都高から横須賀方面に向かうと海に向かった方向にこうしたマンションが建っているのを良く見ます。
しかし、こういった場所は、もともとは低層住宅地としての規制があります。第一種低層専用など、10mの高さ制限がある地区なのに突如として5階建てのマンションが登場すると周辺住民は面白くありません。そもそも崖地に立てて大丈夫なのかという議論もあります。
こうした議論を経て、地盤面は行政が条例で独自に定められることになりました。
今回の横浜市金沢区に建つマンション、周辺住民がこの地盤面の基準がおかしいじゃないか!と訴えた結果、一度横浜市が出した建築確認を東京地裁が取り消す判決となりました。
画像出典:クオス横浜六浦ヒルトップレジデンス公式Webページより。
この地盤面としている部分、一部は「3mを越える柱のような構造物」まで地盤としているわけで、確かになぁと思う反面、横浜市指定検査機関が許可したんですよね?と業者は考えてしまいますね。
ただ、「第一種低層住居専用地域」、高さ10m制限の場所ですよ、ということを宣伝に使いながら、自分達は5階建て、つまりその基準を超える高さの建物をたてているわけでして、地盤面の議論はあるにせよ、これを見るとなんだかなぁとも思ってしまうわけです。
購入者も既にいらっしゃいますが、判決が確定しないとたぶん住むこともできないです。まぁ、地下室マンションは行政のさじ加減で既存不適格にもなりえる存在なので、購入には十分注意したほうがいいよね、と一般論でしめくくっておきます。
ちなみに私は、溝の口の崖上にあるマンションの購入を考えたことがあります。当時の私は眺望が検討順位第一でしたので。間取りも最高でした。
この記事へのコメントはありません。