江東区有明SWOT分析、4回にわたってお伝えした最後のエントリです。
SWOT分析とは強み・弱み・機会・脅威の4つに
区分して、自らの立ち位置を考える分析方法です。
Ariake Junction – 03 / Kabacchi
他湾岸地域と比べた有明に対する脅威とはなんでしょうか。
脅威というのは、SWOT分析独特の言い回しで、もう少しわかる書き方をすれば
「外的要因による弱み」のことです。
「湾岸最深の住居エリアとしての有明の立ち位置」で挙げた項目から少し詳しく述べていきましょう。
Threats(外的要因による弱み)
1:震災による心理的、物理的ダメージ
2011年3月11日に起きた東日本大震災は遠く離れた東京でも大きな被害がありました。
特に浦安を筆頭として、臨海地域には広範な液状化現象が見られ
浦安のその後を見ると液状化のリスクを改めて認識する機会となりました。
さて、有明に液状化が無かったかといえばウソになります。
写真出典:frickerから東雲イオン付近/shao1555
私が砂の噴出を確認した地点は以下の通りです。
・オリゾンから有明小学校に向かう道沿い
・有明テニスの森の一部分
・ブリリア有明スカイタワーの庭、にぎわいロード近く
砂は出ていないが1,2センチ程度の地盤沈下は
・スカイタワーとブリリアマーレ間の路地
・オリゾンマーレ駐車場部分
あたりを実際この目で確認しています。
ですが、それだけです。
それ以上の液状化はありませんでしたし、
液状化があっても建物が傾くとか断水するといった被害はまったくありませんでした。
これ以上の揺れが予想される首都直下型地震が起こっても
液状化による被害は有明地区に関しては心配ないと私は断言します。
むしろ、物理的ダメージです。
免震構造のシティータワー有明以外のマンションは大なり小なり
被害はあったようです。タイルの剥がれ、細かいヒビ等です。
ですが、このような被害は別に臨海部に限ったことではなく内陸部のマンションでもあったことですから、
ことさら大きく取り上げる必要はないと考えますがいかがでしょうか。
最後に津波リスクですが、私は”全く”心配していません。
この項については更に別エントリを建てようかと思いましたが、
私よりはるかに詳しく調べた方がいらっしゃったので、
そちらを参照してください。
⇒豊洲地図さん「江東区湾岸地区における地震リスク(豊洲・東雲・有明)」
2:隣接地区の東雲で新築タワマンが有明より安価に供給されはじめた
辰巳桜橋、Wコンフォートタワーズ / Hiroyuki-H
震災前の新築マンションマーケットとして、ほぼ
豊洲>東雲=有明でした。
むしろ、ビーコンタワーレジデンスまで若干、東雲の方が優勢だったくらいです。
この図式を震災前に湾岸タワーレックスガーデンが、
震災後にプラウドタワー東雲が変えてしまいました。
有明で新築扱いで売っているマンションはシティータワー有明とブリリア有明スカイタワーの
2つですが、東雲のこのタワーマンションは有明よりも明らかに安価な値付けをしました。
震災から半年間、有明のタワーマンションの売れ行きが鈍ったのは
まさしく震災ショックによるものですが、その後はこの東雲ショックが大きいからでしょう。
いまさら値付けは大きく変更できないでしょうが、スカイタワーより条件が悪くなる
有明2-2-A地区マンションはあまり強気な値段設定ができないと予想します。
3:有明以外に勝どき晴海月島豊洲東雲で合計数千戸の発売計画
「発表済みで未発売の湾岸タワーマンションについて集めてみる」で書きましたが
湾岸地域にこれから数千戸規模の計画が目白押しです。
月島を除く晴海豊洲東雲有明だけで
パークタワー豊洲
パークタワー東雲
有明2-2-A街区計画
有明ガーデンシティー(Ariake Garden City)
豊洲6丁目開発計画
ザ・パークハウス晴海 2棟目
(仮称)晴海三丁目西地区A2街区A2棟
(仮称)晴海三丁目西地区A3街区A3棟
(仮称)晴海三丁目西地区B街区B棟
これだけの計画があります。
スムーズに売れてくれればいいのですが価格のたたき合い合戦になった場合、
東京駅から一番遠く、JRもメトロもない有明の既存マンションは最も不利な立地になります。
以上、4回にわたって有明の強み・弱み・機会・脅威について書いてきました。
これを読んで、有明に住むメリットデメリットについて知っていただけたら、と思います。
この記事へのコメントはありません。