平成26年第3四半期の地価LOOKレポートが公開されています。東京区部はまさしく全面高といった模様です。
当マンションの範囲である湾岸地区も全面高です。
少し細かく見ていきましょうか。まずは、中央区の佃・月島から。
中央区佃・月島:
いわゆる湾岸エリア(豊洲、月島、晴海等)においては東京オリンピックの招致決定以降、新築分譲マンションの在庫の売却が進み、分譲価格の上昇が認められた。当地区は立地の優位性から需要は依然として根強く、周辺エリアにおいても分譲マンションの販売は好調であるが、建築費の上昇等の懸念材料がありデベロッパーによる採算性の検証が従来にも増してシビアになっていることから過度の買い進み等は想定されない。しかしながらマンション分譲価格は今後とも上昇が期待できることから、デベロッパーによる素地の取得意欲は旺盛である。そのため、地価動向はやや上昇傾向にある。
(中略)
オリンピック招致決定以降、湾岸部におけるマンション市況が好転し、売り手側の売り惜しみにより売り物件が枯渇気味で、その結果として中古マンションの取引は閑散としている。
ということで、「マンション分譲価格は今後とも上昇が期待できる」とのこと。これ以上になると平米100万を大きく超えるところになってきますが、はてさて。
ちなみにマンション賃料は変わってないので、利回りは下がっているとの評価です。
江東区豊洲:
湾岸部において当地区は、交通利便性に恵まれ生活利便施設も整っていることから、中央区と並ぶ人気となっている。東京オリンピック開催決定直後は湾岸部全体に注目が集まったが、ここへ来て交通利便性が高い、当地区に需要が回帰している。建築費上昇に伴うマンション分譲価格の上昇で、取引件数は前期に比べて減少しているが、価格面では建築費上昇を分譲価格に転嫁できており、依然としてマンション素地に対する需要も旺盛であることから地価動向は前期同様やや上昇傾向にある。
建築費の急激な上昇により、新築マンションの分譲価格も上昇していることから取引数は前期に比べて減少しているが、前年と比べれば大きく増加しており、今のところ懸念された分譲価格の引き上げによる大きな需要減は見られない。今後も当地区では大量のマンション供給があるが、生活上の利便施設が整備された当地区は景気回復期待や地域のブランド力の向上から安定した需要が見込めるため、分譲マンション需要は新築、中古に関わらず、ここ暫くは堅調に推移すると予想される。そのため、将来の地価動向はやや上昇すると予想される。
江東区有明:
東京オリンピック開催決定や他の湾岸エリアとの比較における割安感から注目が集まっていた当地区のマンション市場は、販売価格の上昇により割安感が薄れ、エンドユーザーの豊洲エリア等への回帰も見られた。しかし、マンション需要が堅調なエリアである事に変わりはなく、マンション素地の稀少性も高い。そのため、前期同様に地価動向はやや上昇傾向にある。
当地区における分譲マンションの取引件数は前期に比べて減少したが、オリンピック開催決定等による過熱感が一段落したに過ぎず、前年比では取引件数が増加していることから見ても、当地区の堅調なマンション需要が窺える。今後も周辺地区を含め大量のマンション供給が予定されているが、オリンピック関連施設や地区計画による発展が期待される当地区のポテンシャルから、将来の地価動向は引き続きやや上昇傾向が続くことが予想される。
豊洲・有明地区ヒアリング一例:
東京オリンピック開催決定以降、晴海地区・有明地区などの湾岸エリアに注目が集まり、その中でも交通利便性は劣るが、他の湾岸エリアに比べて割安感がある東雲地区・辰巳地区といった地域でもマンションの引き合いが好転した。しかし、これらの地域では建築費の上昇によって販売価格が高くなったため、徐々に割安感が薄らぎ、当期は取引件数が若干減少した。一方、地下鉄の利便性が高い豊洲地区のマンションへと需要が回帰しており、5月以降取引件数、販売価格ともに上昇している。(売買仲介業者)
豊洲>有明の構図は変わらず、有明がオリンピックの期待感から思ったより上がってしまったので、交通の便の比較の上で豊洲が選ばれるってのは同感なんですが、私に対するここ半年の相談を眺めていると、豊洲と有明って同じ江東区なのに、ユーザーが求めているものが違っていると思いますね。勝どきと晴海、晴海と豊洲、東雲と豊洲を比べて悩む人はいますが、有明を他の地区と比べて迷う人はあまりいません。
そして、豊洲有明にくらべて、いまいち注目が集まってなかった東雲が、この半年でぐっと引き合いが増えました。 こちらも、先日のエントリを見て分かる通りです。
売主強気の構図はもう少し続くのかな、と思いますね。
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