東京電力が家庭料金向け電気料金の値上げを予定しています。
これについては政治ともからんんできますので値上げ時期は不明となりますが、このまま原子力発電を再開せず、化石燃料を燃やして発電を続けるなら、維持できません。いずれどこかの時点で値上げをするしかないでしょう。
画像の出典:flickr.com東京電力川崎火力発電所 / Lucy Takakura
オール電化はガスを引く必要がなく、ガスの基本契約料金がかからないため、震災前はランニングコストが低減すると宣伝されてきました。今回の値上げでガスに比べて不利になってしまうとすれば一大事です。少し比較してみましょう。
私のブログで扱ったオール電化マンションは、
- パークハウス晴海クロノレジデンス
- ブリリア有明スカイタワー
- プラウドタワー東雲
- パークタワー東雲
です。これらオール電化住宅の住民は、東京電力の電化上手プランを使用するはずです。
画像の出典:ザ パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンス公式Webページより
値上げ幅は新聞によると、以下の料金体系になる模様です。
時間帯別料金プランは夜間の値上げ率は約24・8%(値上げ後の料金は一キロワット時当たり一二・一三円)で、ピーク時の値上げ率は約18・0%(同五三・二九円)、昼間は約9・5%(二九・六六円)となる。(東京新聞)
ガス併用でも普通に電気を使う部分は値上げはされるので、ランニングコストの差は、IHクッキングヒーター・エコキュート・電気式床暖房の3つのコストアップ分を計算すればいいでしょう。
エコキュート
いくつか試算方法がありますが、三菱電機作成のランニングコストシミュレーションを使用してみました。
試算条件は
エコキュート370Lタイプ
仕様湯量:570L
[シャワー温度42℃ 湯はり量:180L シャワー湯量:10L×8m = 80L 洗面台所使用量:150L]
で料金を計算しますと、以下の試算結果が出ました。
(クリックすると画像が大きくなります)
シミュレーションによると、年間あたりの給湯にかかるコストは
エコキュート:26600円
都市ガス:103400円
新聞発表の電化上手値上げプランで再計算すると
エコキュート:35000円
都市ガス:103400円
ということで、給湯にかかるコストアップは年間約1万円です。都市ガスに比べればまだ圧倒的にお得です。
IHクッキングヒーター
現状調理に関してはIH≒ガス調理と考えてよさそうです。
調理に関するコストは月多くて2000円程度なので、値上げ分(9.5%)を加味すると月200円弱、年間2000円程度。
床暖房
もともと、温水式ガス床暖房の方がランニングコストが安く済むことが知られています。
12畳リビングで1日10時間使用した場合、月当たりのコスト差は5000円程度。
深夜帯に利用がないことを考えれば、値上げ分(9.5%)を加味するとコストアップは月500円弱。3ヶ月使用で年間1500円程度。
結論:そんなに心配するほど上がらない
基本的には、東京電力が値上げしてもまだまだオール電化の方がランニングコストは安そうです。それよりもエコキュートの耐用年数は10~15年程度です。入れ替えコストは50~100万円程度なのでこちらの方を考えたほうがよさそうです。ガス給湯器は入れ替えコスト半額ですから。
ちなみに、「エコキュート」と名乗っていますがエコかどうかで言えば、原子力発電が動いていない現状、「火力発電で発電して家庭給湯に使用する」のは発電効率・送電ロスを考えると、まっっったくエコではありません。
>「火力発電で発電して家庭給湯に使用する」のは発電効率・送電ロスを考えると、まっっったくエコではありません。
エコキュートの効率を考えるとそうでもないと思いますよ。
受電端効率をCC火力で50%とすれば、エコキュートの効率300%より、
総合熱効率は150%です。
温暖地域だともう少し上昇すると思います。
エコキュートの効率300%はメーカーの言い値で信用できないです。。。
実効効率200%程度でしょう。
火力発電は送電ロス分も考えると、家庭に届くのは当初エネルギーの40%程度。40×2.0で80%でしょう。
原発のベース電力の有効活用としてはいいアイデアだと思いますけどね。