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大手財閥分譲物件は価格が張りますが、その分資産価値を保てるのでしょうか?
Q:
先日、豊洲新築マンションの第2期内覧会へ行ってきました。資産性と住みやすさの両立から、割と良いのではと思っていますが、営業さんより「リセールの際は売主と建主(?)のランクが一番価格に効く。この物件は三井+大林だからリセールにも強い」といった趣旨の説明を受けました。例えば10年後のリセールを考えた時、このランクという要素はどの程度価格に影響を及ぼすと考えられますか?
A:
モデルルームで【三井その他財閥系が売主だと5%プラス、施工がスーパーゼネコンだと更に5%プラス】という三井のリハウス査定マニュアルを見せられましたね?結論から言えばブランド分の値上がり幅は中古でも保たれます。実際に銘なしマンションより銘ありマンションの方が高く取引されているからです。
この分野で有名なスタイルアクトさんの最新の売主別騰落率データは以下のとおりです。
売主別中古騰落率ランキング 2013年版(サンプル棟数30以上)
データ出典はこちらから↓
売主別中古マンション騰落率ランキング 2013年版の公表について
ただ、これをまるまる信じる必要は無いと考えています。騰落率はブランドよりも、購入時期の見極めや物件立地の個別性の方が強いからです。上位の丸紅含む財閥系マンションと下位の差は交通利便性がよく人気の街に建てられたか、そうでないかの違いの方が強いからです。
同じpdfの参考情報として、丸紅の騰落率上位物件一覧が載っています。こちらも紹介しましょう。
築年数が8~12年のゾーン、つまり2003-2005の割安期に数多く分乗しており、さらに都心や文京区、渋谷区物件に騰落率上位の事例が固まっています。今から考えれば売主騰落率はこうした「資産価値が保ちやすい立地に開発用地を仕込めるのか」、そして「消費者にとって良いタイミングでどれだけ供給できたのか」という結果であって、ブランド名や売主名の価値ランキングではないでしょう。
「売主が〇〇だから安心」「施工が〇〇だから資産性が維持される」はセールストークとして話半分程度に聞いておいた方が良いでしょう。
仰るとおり騰落率の比較だけではだめですね、地域と分譲時期を考慮しないと。
webで簡単に中古マンションを検索してみてもデベロッパーを全面に押し出してはいないですよね。
中古を買う側は間取りや駅歩をまず重視するような気がします。
同条件の物件が並んだ時に大手デベを選ぶかどうかという感じなのではないでしょうか。
サンプル棟数不足でリストに挙がっていませんが、湾岸マンションの流れを作った(と思っている)プロパストなんかどうなんでしょうかねえ。
共有部分のこだわりや、専有部分にも大手にはない独自のこだわりがあって面白いと思うのですが。
プロパスト湾岸物件て維持費高いまま下がらないのかな?
中古で築古になって維持費が上がると他の物件と比べて中々買い手がつかなそうな気がする
確かに時間軸の取り方でトレンドは変わると思います。
中古でババを引きたくないので、大手のマンションは安心だと買い手が思ってくれるので値段が下がりにくい気がします。
大手のマンションが資産価値を維持しやすいという点で、私のイメージは下記ですね。
・大手のマンションはそもそも立地が良い場所なので、値段が下がりにくい場所である。(中小は立地が悪いので、そもそも値段が下がりやすい場所にある)
⇒立地が良ければ、中小でも値段が下がりにくいと思われます。
・スーパーゼネコンで施工しているマンションは建設費も高いので気合が入ったマンションである。つまり、仕様を落としてスーパーゼネコンに作らせる意味はないので、そもそも仕様が良い。
⇒仕様が良ければ、値段は下がりにくいと思われます。
・大手のマンション(もしくはスーパーゼネコン施工)は中古になっても問題は少ないだろうと買い手が想像してくれるので、値段を下げなくても売りやすい。(欠陥が証明されたら住友不動産が対応した例もありました)
⇒中古車でトヨタとマツダと比べるとトヨタ車の方が値段が下がりにくいのと同じだと思います。(今のマツダのデザインは好きですが、一般例なのでマツダファンの方はごめんなさい)
プロパストについてですが、プロパストがどうこうよりも、割安期に数多く分譲したデベロッパーがランキング的には有利です。
また、建物や内装の仕様は中古になった時に買い手はあまり考慮に入れられないことが多いです。それより間取りや向きの方が重要です。