オリゾンマーレ

「有明レガシーエリア」の区域分けから今後を考えてみた。あのエリアの紆余曲折

1964東京オリンピックのレガシーとして、駒沢オリンピック公園や代々木競技場、武道館、馬事公苑などが残りました。このうち、面的な公園エリアとして広く利用され続けている”レガシーエリア”としては、駒沢オリンピック公園と代々木公園だと思います。当初の2020東京オリンピックでは、レガシーエリアの新設の予定はなかったはずです・・・が、小池知事が2016年に突然「ARIAKE LEGACY AREA」を作ると発表、有明の競技場群跡地は住宅用地から一転、レガシーエリアとして使われることになりました。ただし、そのエリア分けについては不明でした。
(以下の画像はすべてクリックすると大きくなります)

6月22日に報道発表があった「有明レガシーエリアのまちづくりに向けた民間事業者からの事業提案を募集します」では、以下の別紙資料がついてました。

(ア)のエリアには、2020青海アーバンスポーツ会場から、スポーツクライミングと5人制サッカー会場が移設。
(イ)のエリアには、集客できる商業・飲食店舗を設置
(ウ)のエリアには、多目的広場としてオープンスペースを残す

ということになりました。オリンピック期間中、(ア)と(イ)の西側は、BMX競技場。(ウ)は有明体操競技場の動線。そして(イ)の東側に、世界各国の中継車が止まっているイメージ図が公開されています。

また、「有明レガシーエリアの基本的な考え方」として:

  • 「有明アリーナを核としたスポーツとイベントで賑わうまち」へ
  • 「アーバンスポーツゾーン~有明テニスの森駅~有明アリーナ」を「賑わいの軸」として整備
  • 歩行者デッキ、シェアサイクル、巡回バスなどでエリア全体の回遊性を高め、来訪者・居住者の移動を活性化

と、巡回バスの導入まで検討されているとか!なかなか刺激的な考え方ですね。有明テニスの森駅から有明アリーナまではかなり離れているのは、東京都も認識しているらしく、東西の移動軸をいろいろ考えているということでしょう。テニスの森公園と併せると広大な公園環境が整備されます。思うに、スポーツとイベントを中心とした、ということからお台場の青海で年がら年中いろいろ開催されているあの感じのスポーツ寄りな地域にしていくぞ、ということなんでしょうかね。

イベントスペースって例えばお台場合衆国的なもの?(発想が貧困)

昨日は2020に向けて、豊洲6丁目の開発がどんどん決まっている情報をお伝えしましたが、ここに来て有明もいろいろ決まってきましたね〜

−−−−−ここからは昔のお話ーーーーー

東京都港湾局は既にこのエリアに道路を敷設済み。オリンピック後は住宅用地として使われるとずっと言ってました。具体的な用地プランやスカイラインイメージなどで、将来像も示してましたね。たまにブリリア有明3兄弟の中古検討者から「あのエリアはオリンピック後どうなるのか?」という質問が来ましたけど、2016年11月までの僕の答えは、「中層マンションとタワマンが立ちますよ」というのがその答えでした。小池知事の有明レガシーエリアの発表は、元々の前提を根底から覆すものでした。
実は以下の3つの図面、まだ撤回されていません。

有明北地区マスタープランより:

臨海副都心まちづくりガイドラインより:

有明地区全体のスカイライン(イメージ):
ブリリアマーレ有明やオリゾンマーレの北西側隣地には、低層階のマンションと親水海浜公園沿いにタワーマンションを建てる予定であることがさり気なく書かれている。「居住人口:28,000人」の看板を降ろせない以上、マンションをいっぱい建てるためにこうするしかない。

この土地は元々貯木場でした。2000年代初頭に高額の事業費を払って埋め立てした後、土地利用についてはこの20年間近く迷走しつづけました。
私が把握しているだけでも、

低層階住宅を建設します
→2016東京オリンピック招致で選手村にします
→オリンピック招致が終わったので住宅用地にします
→2020東京オリンピック招致で仮設競技場を作ります
→仮設競技場の一部は建設しないことにしました、体操競技場はオリンピック後10年使います。残りは住宅用地です
→有明レガシーエリアにします

と紆余曲折です。有明北地区は、めちゃくちゃお金がかかっている臨海副都心計画の居住エリアを担う以上、都官僚的にはタワマンを建てる計画を自分からは降ろせなかったはずです。トップの一声で2020大会後のレガシーをここに作るんだ!で事態が動いた。ということで、そろそろ固まってほしいですね。

(懐かしの2016東京オリンピック招致の有明選手村計画

 

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