読売広告社が先日出した「マンション契約者600人調査2015」の結果について、ネットニュースがいろいろコメント出しています。
東京オリンピック効果?湾岸エリアのマンションに「買い増し」の変化
たしかに、私のメール相談事例を見ても、「買い増し」「同じマンションで引っ越し」「ダブルローン」等の相談が最近多くなってます。これは、湾岸需要の高まりもさることながら、低金利の内にポジションをなるべく大きく取っておこうというリスクテイク思考かなと勝手に思ってました。
しかし、上記の見出しはなんだかな~と思ったんですが、やっぱり原資料をあたるのが一番早いです。ネット社会は便利ですね!以下、原資料を読んでのらえもんがここはポイントかなと思ったところを上げていきます。
「マンション契約者600人調査2015」:読売広告社
このエントリの画像出典:読売広告社「マンション契約者600人調査2015」より
同居家族人数と世帯年収
同居人数はなんと2人までで半数以上。マンションは子供が産まれたとか小学校に上がるから買うというよりも、独身のうちや結婚したから子供まだいないけど、という購入者の方が多いということですね。
世帯年収は1000万円以上が約4割、1000万円以下が約6割。東京都+南関東三県の新築マンション購入者なのに、妙に高いな?と思ったら次のデータみて納得です。
東京23区+浦安市で5割以上じゃないですか。千葉・埼玉で2割切っていたら年収層が思ったより高いのも当たり前ですね。世帯年収1000万円以上の割合と物件価格5000万円台の割合もほぼ一致します。
ちなみに読売広告社の湾岸エリア定義です。テストに出ますよ~~(嘘)
んで、今回の見出しに頻繁に出てきた買い替え買い増し比率。
え?こんなもんじゃないの?と思って、他の年データを見るとあまり変わってないじゃん。
下図みて分かる通り2012~2014年で買い替え・買い増し割合は変わってません。
たしかに、湾岸エリアと都心エリアの買い替え・買い増しは統計的に見ても高いですね。
2013年より前のエリア別買い替え・買い増し割合が出ていないんですが、この1,2年間でその他23区や郊外エリアのこの割合が変わるとはあんまり思えないんですけど。。。となると、特に買い増しが増えているというわけでもないことになる。
湾岸マンションのストックが十分貯まってきているのでその辺の増分があるのかもしれません。
オリンピックが決まっても賃料は変わってないので、利回りはこの間一定して低下しています。主にキャピタルゲインを狙った投資だとしたら、この傾向は若干危険かな、と私は考えています。
そのほかのデータです。湾岸エリアのシェアが増えた分、その他23区の割合が減っています。
購入金額は上がっています。4000万円台までとそれ以上のシェアは多少しか変動していませんが、この間の増分は270万円ほどで、購入金額目盛りが1000万円単位なのでグラフ的にはそこまで変化しなかったとみていいのでしょう。
最後に、注目地区。
「湾岸購入者」が16.7%いて注目している街を聞いたら豊洲か山手線新駅になるにきまっとるやん!見出し付けた人はアホなのか、そうでなかったらステマだろかと思ってしまいますね。いや、もちろん湾岸への注目は年々高まっているのが良くわかる資料ではあるんですけど。
やっぱり原資料に当たるのは大切ですね
非常にわかりやすかったです
有明はいま五輪施設建設までにやや時間があるので大きな動きはありませんが、住友不動産の大型施設はいよいよ進行しそうです。
http://www.kensetsunews.com/?p=50022
五輪の前年には33階建てマンションができますし、順次商業施設の建設が進むようですから、有明地区も再び脚光を浴びるでしょう。とにかく2020が決まるまでは動くに動けない有明でした。これからが期待です。