このブログが中央区のLRTに注目したのが2013年…そこから9年の時を経てついに東京都から「都心部・臨海地域地下鉄」の事業計画案が発表されました!BRTも嬉しかったのですが、この臨海地下鉄についてはブログ当初から言っていたことですので、と・て・も、嬉しいです!!!
今後数十年の東京の発展を考えると、この路線の決定は必然だったと言えますし、むしろ20年遅かったともいえるでしょう。
設置駅は、東京〜新銀座〜新築地〜勝どき〜晴海〜豊洲市場〜有明・東京ビッグサイトの6.1km/7駅とのことでした。築地から豊洲市場までの駅間は短いことから、勝どきと晴海は朝潮運河下に1駅作る、というのが中央区プランでしたが、思い切って2駅作ってきたのは勝どきおよび晴海民(なにより晴海フラッグ民)にとっては朗報ですね!なにより「HARUMI FLAGとの近接性」と思いっきり資料に書いてあるあたり、晴海フラッグはめちゃくちゃ優遇されています。
また、新線は築地市場跡地再開発にも必要でした。
この新線が東京にもたらす価値、そして湾岸エリアにとっての福音になるのかということは最後に述べるとして、まずは各駅の想定位置を見てみましょう。
原資料ではかなりぼかして書いていますので、私側で適当な縮尺として予想位置を書いてみました。大深度地下を活用するでしょうから、地下鉄の出口は割と周辺に作られそうです。
東京駅(仮称)
始発となる東京駅は、八重洲北側に作られることになりました。駅の近くには日本一高いビル(2027年時であり、2040年のときはわからないけど…)である、東京トーチタワーにも直結されることはほぼ間違いないでしょう。南側は八重洲の再開発「東京駅前八重洲一丁目東A地区市街地再開発」と直結されるのではないでしょうか?ここには東京駅のバスターミナルが集約されます。
新銀座駅(仮称)
ここは銀座??とは若干いい難い銀座一丁目の端っこ、有楽町とのほぼ結節点。駅の南側がUNIQLO TOKYOあたりと予想します。銀座一丁目駅には雨に濡れず乗り換えできそうです。東京交通会館側まで駅出口が伸びればJR有楽町駅にもいけそうですね。現時点で築57年の東京交通会館が2040年までそのままの姿でいるかは微妙です。
→コメントによるとこのあたりには「有楽町駅周辺地区まちづくり」が存在しますね!地下鉄が通る頃にはこのあたりの再開発も動き出しているでしょう。
新築地駅(仮称)
築地再開発計画に完全に取り込まれる位置につくるでしょう。莫大な費用がかかる都心部・臨海地域地下鉄計画を東京都が音頭を取ってすすめるのは、交通アクセスが微妙に悪いこの築地再開発エリアの不動産価値を底上げする意味が大いにあります。
勝どきのタワマンから見るとこのエリアはぽっかり穴が空いているのですが、今後都心エリアで19haの広大な敷地が開放されることはまずありえないので、良い開発になるといいですね。「築地まちづくり」のページを見るとなかなか進まなくてヤキモキしますが…環状2号線・大江戸線・臨海新線とエリア内を三本地中に通るためビルが建てにくそうではあります。虎ノ門ヒルズ以上の難工事になりそうな予感がします。
勝どき駅
勝どき駅は晴海通りではなく、一本西側にずれた場所に通しそうです。民有地の下を通らず行けるのかな(隅田川と道路の間は中央区セレモニーホールで安心しました)。パークタワー勝どきが大江戸線勝どき駅の地下で直結したのは驚きましたが、今回の新線ルートはこのルートの真下を通ることになりそうです。勝どきあたりはあまり地下を掘り下げていないので、大深度だと相当下をくぐることになります。
晴海駅
こちらも道路の真下を通るルートになりそうですが、民有地をなるべく避けようと思ってもかすりそうですね。効率よく建設するにはスカイリンクタワーの真下を通らないといけませんが、ここは避けるのでしょうか。黎明橋公園ぎりぎりの下を通って、
晴海4丁目のところで民有地下を通る関係で、このあたりも新線と新駅建設にあたって再開発が必須な気がします。晴海はまだまだ大きく変わりますね!
豊洲市場駅
ここはゆりかもめの下を通すルートで間違いなさそうです。千客万来施設やミチノテラス(メブクス豊洲)との接続も書かれています。みんな忘れているかもしれないけど、千客万来施設も順調に建設が進んでいます!
豊洲市場の千客万来施設、それっぽい屋根の骨組みが!!
工事現場のクレーン作業が面白くてぼーっとずーっと見てられる???? pic.twitter.com/MiXaC6lhe7
— きんご/kingorira (@makipyon26) November 14, 2022
有明・東京ビッグサイト駅(仮称)
今回一番驚いたのは有明の駅位置。首都高湾岸線の向こう側ではなく、有明コロシアムと有明ガーデンの間に駅を作るというものです。このまま行くと、シティタワーズ東京ベイはほぼ駅直結マンションになりますね。ただ、東京都の計画では、りんかい線、その先の羽田まで直結したいと考えているので、接続するとなると、国際展示場駅になるのか、はてまた有明駅はこの位置にしておいて、東京テレポート駅あたりで直結するのか気になりますが、そもそもそんなことは可能なのか…?
あと、有明アリーナから都内各所への交通アクセスが悪すぎるのは御存知の通り。新線建設ですこしでもマシになればいいですね。この位置関係を見る限り焼け石に水っぽいですが。
湾岸エリアはこれからも東京の成長エンジン
日本全体で見ればシュリンクしていきますが、東京は世界都市としての地位を確立していますし、そこは揺らがないのでこれからも発展の余地があります。江戸から東京に至るまでの歴史を考えると、常に海方向への拡張があったわけで、これから数十年のスパンで考えてみても、中心となる東京駅から湾岸エリアに鉄道を通しておくのは一定の合理性があります。むしろなぜ有明からそのまま南側に伸ばして海の森経由で羽田に向かわないのか…資金回収が長すぎますか。
東京都側の視点に立つと、築地・豊洲・有明一帯は都有地も多く、東京都としてコントロールが可能なことから、引き続き投資対象のエリアでありつづけることが望ましいということでしょう。現状、湾岸エリアのオフィス需要、特に晴海・は壊滅的(苦笑)ではありますが、これは直結路線が少ないというハードウェアの問題があるので、今回大量輸送機関である鉄道を通しましょうということです。臨海部以外の方からするとなぜ東京は湾岸エリアに引き続きお金を注ぐのかと思うかたもいらっしゃいますけど、鶏が先か卵が先か、な話だと思ってます。
さて、この都心・臨海部地下鉄。TXおよびりんかい線につなげたいという思惑はあるようですが、どうでしょうか。りんかい線国際展示場駅に直結しようとすると晴海駅を進んだあたりから急勾配で登ってきて、国際展示場付近で急カーブして直結させることになりますが、うまくいきますかね。
それか、有明の駅は原案通りとしてりんかい線の下側に線路を伸ばし、東京テレポート駅のあたりで接続するのかな?と思います。
新線発表は湾岸エリアのタワーマンションには福音となるか
正直な話、「晴海フラッグ」の人たちにはとても希望が持てる今回の計画です。その他「パークタワー勝どき」「シティタワーズ東京ベイ」あたりは強いポジティブサプライズとなりました。ただ、計画がとんとん拍子に進んでもあと18年後。いま40代の人たちは半ば引退の時に鉄道が引かれても…と思うじゃないですか。
大丈夫だから。日本の年齢別人口構成を見れば分かる通り、団塊世代のような年金と引退生活は無理です。いまの40代は70になるまで…下手すりゃ75になっても働かないといけません。だから沿線マンション住民の人達は頻繁に使うはずです。
今すぐマンションの価値には反映されないですが、工事が開始されたあたりには新線の影響がポジティブ方向に出始めて、実際の運行開始直前直後が最も価値が上がりそうです。そのとき、築20〜30年のマンションでも魅力的なように、管理と修繕に力が入ったマンションが増えるといいですね!
ここまで具体的な計画出ながらなんであんなに着工遅いんですかね??
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/toshi_saisei/saisei09.htm
記事とてもおもしろかったです。
「資金改修が長すぎますか。」
×改修
〇回収