スムログの方へこんなお便りがのらえもん宛に来たのですが、のらえもんブログの方で回答しますね。
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差出人: 奥豊洲
のらえもんさんのブログ記事「都心部・臨海地域地下鉄の事業計画案が発表。東京駅〜晴海〜有明間が地下鉄で直結する!」を拝見しました。
駅設置場所や周辺エリアの情報や再開発計画の総評などがよくまとまっており、周辺住民としてとても学びになりました。(のらえもんブログの感想をスムログで書くのもどうかと思いましたが…)
少し前になりますが、今年は期せずして有楽町線延伸についても2030年代半ばを目処とした事業許可がなされ、東京都からは豊洲駅から東陽町駅を経由して住吉駅まで延伸させるルート案が公表されたニュースが記憶に新しいところかと思います。
・豊洲を起点とした、東京東部および千葉方面のアクセスの向上
・新設される枝川駅および千石駅周辺の一体開発
など多くのメリットが期待されている一方で、
・有楽町線の電車の直通化に伴う新木場方面への減便
のような想定もあるようで、これが事実であれば東雲や辰巳の住民に影響がありそうです。
ぜひ有楽町線延伸についてものらえもんさんの受け止めや、こう変わっていくのではといった予想や希望などコメントいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
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まずは、有楽町線延伸については、2022年3月28日に東京地下鉄が国土交通省から第一種鉄道事業許可を受けています。臨海地域地下鉄とは違ってもっと確度の高い計画です。2030年代半ばの開業が目標とされています。沿線住民のみなさま、誠におめでとうございます!特に南北に広い割にはこの軸はバス便しかなかった江東区にとっては悲願とも言うべき計画が、前に進んだことはとても、おめでたいです!
のらえもんブログでこの話題について、熱心に取り上げていなかったのは、東京湾岸エリアへのインパクトは、都心臨海地域地下鉄ほどないと判断していたからです。
鉄道や道路どちらにもいえることですが、都心方向から近郊〜郊外エリアへ伸びてゆく「本線」と、近郊エリア同士を結ぶ「環状線・支線」の性格があるかと思います。後者の性格を持つものとして、メジャーなものとしてJR線では武蔵野線・南武線・町田線があり、豊洲〜住吉間を結ぶ地下鉄八号線に近隣で性格の近いものとしては、東武亀戸線・京成押上線、そして広く捉えればりんかい線や、ゆりかもめもその仲間と言えます。これらの路線は、本線間の利便性がよくないエリアに横串を通し、各路線への血流を良くしてエリア全体の魅力を高める機能が期待されます。
現状オフィス建設が進むも、需要がそこまで多くない豊洲エリア(それでも品川シーサイド・台場・晴海・有明よりマシ)にとっては、決して人口を多く抱えたところを持たない有楽町線のみだったところに、千石/猿江〜東陽町〜枝川、また東西線からの乗り換え客という、新たな後背地を抱え込むことになるので、これは福音といえる決定です。オフィスが容易に埋まるようになれば、豊洲の人気は更に高まります。住・商・業・遊・医を兼ね備えて、かつ開放的な風景を持つ場所は都内で他にありませんから、今後も豊洲の将来は明るいでしょう。
一方で、ご指摘どおり、もし有楽町から来る電車の一部が住吉側へ回ることの影響から、豊洲〜新木場方面の便数が減便となると、辰巳・東雲エリアの方々にとってはさほど便利にはならず(東陽町の区役所やスカイツリー方面にに年何回行くことがある?)減便のデメリットだけを受けることになってしまいます。新線と有楽町線の直通があるのであれば、物理的な問題で新木場行減便は避けられなさそうです。
では、辰巳や東雲が減便によって、人気(≒マンション価格)が落ちるのか?という点については、「基本的に考えにくい」と考えています。朝のピーク時間で18本/時間止まる辰巳駅がたとえ現状半分の9本、日中時間帯12本→6本になったとしても(可能性の話をしているのであって、こんなに減らないと思ってます)、有楽町線が既に通っている・メトロの運賃の安さというメリットが大幅に上回るため、このためにエリアのマンション価値が大幅に下る、ということはないと考えます。それにたとえ停車数が半分になっても、2019年乗降客数が1.5倍のりんかい線国際展示場駅とほぼ同数なのです。
豊洲は、ずっと未完成なところが良いなと思っていました。近年、だいぶ空き地も少なくなってしまって、ついに完成したか?というところで地下鉄新線が決まったので、東京湾岸開発の流れの中で、一番祝福されたエリアかもしれませんね。
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