ビーコンタワーレジデンス編・その2の続きです。
今回は、共用施設と相場観についてです。
共用施設
プールやバーなどの共用施設はありませんが、センスが良くかつツボを押さえた共用施設となっています。400戸くらいの規模のタワーマンションが持つ施設としては後世のお手本になると思います。
画像出典:ビーコンタワーレジデンス旧公式より。現在は存在せず。
画像出典:トランジットジェネラルオフィスWebサイトより
・ビジネスセンター(2F)
画像出典:ビーコンタワーレジデンス旧公式より。現在は存在せず。
・ゲストルーム2室
・キッズスペース
・1F吹き抜けラウンジ
440戸とは一昔前なら超大型マンションといえる規模ですが、1000戸規模クラスとはどうしてもやれることには限りがあります。このマンションは、できるスペースに必要なものを配置しているという印象で、無駄なものがあまりありません。
ビーコンカフェは圧巻の一言で、マンション内カフェサービスの概念を覆すほどの出来栄えです。残念なのは眺望がのぞめない2Fなことですが、内装・運営は凝ってますし、運河に面する位置にありますので開放感があります。200円程度で飲める価格設定ですので、カフェ好きなら毎日通いたいほどのクオリティですね。
ちなみにのらえもんは数度入ったことがあります。
相場観
さて、ビーコンタワーレジデンスの相場観です。60㎡台2LDKはありますが、多くの部屋が80・90㎡といった大型の部屋となります。
過去5年間をさかのぼると成約事例は34例しかありませんでした。築5年・440戸の事例数としては少ない方でしょう。
全体の成約事例散布グラフです。
(各グラフはクリックすると大きくなります)
震災直後はあまり成約価格が変わらなかったのですが、2012年の夏~冬くらいにかけてがこのマンションの底だったことがわかります。このあたりではあまり事例が発生していません。
たしか、このころのビーコンはそれなりに在庫が出ていた印象でしたが、新築時の坪単価が高かったために、売主希望価格と買主希望価格が釣り合わなかったためだと考えます。市況の回復(2013夏~)とともに、200~220万円のあたりで成約が多く発生しています。
平均すると、成約年での偏差があまりないので、方角・階数・専有面積の影響が大きいと言えそうです。
次に、成約事例を方角別で分類した散布図を紹介します。
北西が一番低い成約価格となっています。30階~80㎡台のお部屋の事例です。プラウドタワー東雲と若干被る?のでこの評価なのでしょうか。シミュレーションする限り、悪い方角とは思えませんけど。南東の一番高い部屋は、最上階プレミアルームの坪単価なのであまり参考になりません。
北東と南西がほぼ変わらない結果となっていますが、北東は中層から上の事例が多いのに対し、南西は低層部屋が多く含まれています。
階数別にするときれいに階数が上がる方が有利となる結果が出てきます。上層プレミアムルームの事例を取り除いても、線形平均で低層~高層の差は坪25万円ほどあります。30Fより上ならだいたい坪220万円以上、30Fより下が坪220万円以下とざっくり考えておけばよいでしょうか。
最後に専有面積別で見てみましょう。
プレミアムルームをのぞけば、60㎡台が有利、80㎡台が不利、100㎡くらいで持ち直し、となりますか。
34事例の平均値は214万円・中央値は213万円でした。
現在の相場は、ここより若干上がった坪215万円~220万円くらいかと思います。ここに階数プレミアムと専有面積の有利・不利が入ります。駅徒歩分数的には、アップルタワー/キャナルファーストより不利ですが、ビーコンはこの2マンションより若干高めで成約がつきます。
次回は賃貸成約事例から本マンションの想定PERを考えてみましょう。
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