「のらえもんさん、私はいまマンションを買った方がいいと思いますか」という質問、よくされるんですが、正直それはご自身で決めることだと思います…
家の購入というのは不思議なもので、人生の節目で真剣みを帯びて考えますが、普通の方はそれ以外の時はあまり頭の中を占めません。私やマンションマニア先生、スムログブロガーのような、いつでも住宅購入を考えているという人は、ありていに言えば住宅購入・検討が趣味の変態なのです。だからこそ長年、消費者サイドからの住宅評論というジャンルはほとんどありませんでした、ネットの普及と、個人による情報発信が積み重なり「普通の人より詳しい消費者」にスポットが当たったともいいますか。
話がそれました。
この「家の購入を考える人生の節目」というのは主に3回ありまして、
- 結婚した時
- 子どもができたとき
- 第一子が小学校に上がる前
となります。
「結婚する(した)し、二人で暮らす家を一緒に探そうか」
「子どもができたし家族で暮らせる家を探そうか」
「この子も次は小学生か。そろそろ腰を落ち着ける場所に引っ越さないとなぁ」
まさしく住宅購入あるあるです。
しかし、ちょっと待ってください。住宅購入というのは多額のお金が必要です。このお金を用意するという意味では、自分たちのタイミングだけでなく、別のタイミングもあるはずです。今回は金融(=与信)の面から考えてみましょう。
住宅ローン与信から逆算したマンション購入の適したタイミングとは?
何度もこのブログ上で書いていますけど、住宅ローンはれっきとした金融商品です。メインターゲットは25歳~40歳の若くて健康で定職に就いている男女です。これより前ですと(20歳・21歳という年齢で住宅ローンを組み購入をする方もごく少数いらっしゃることは知っています)、住宅購入がそもそもリアルでは無いし、大卒・院卒で就職したばかりだと、住宅ローンの審査がおりにくいです。逆に、40歳以降になりますと、健康面、つまり団体信用生命保険の審査に引っかかる確率が高くなります。人間ドックに行き、何らかの数値が悪いと判明すると、とたんに審査が厳しくなります。
団信の許可が出ずにワイド団信や団信無しを選ばざるを得ないケースを何度となく見てきました。
結論から書きます。逆算するとこの3パターンでしょう。このタイミングはすべて「どちらも正社員」の場合を想定しています。
- 結婚前の独身状態
- 結婚直後から第一子妊娠前
- 奥様が時短勤務からフルタイムに復帰後
最適なタイミング1:結婚前、独身でのマンション購入
有利な点としては、「マンション購入に際して、決定権がすべて自分にある」という点です。どうせ長く住むなら~とか、洗濯物の乾きが~とか考えなくても良い。結婚前の資産形成目的に全振りできますから、単純に、ここなら価値が落ちなさそうと思う部屋に札を入れれば良いだけ、となります。
2つの点に注意が必要です。1つめは、「居住用には若干狭い部屋を住宅ローンで購入しようとすると、投資用で購入するのかと疑われて否決されやすい」こと。新築マンションであれば、提携ローンそのへんうまくしてくれるかもしれませんが、中古マンションだとここがネックになる可能性があります。
2つめは、結婚前なので自分自身の与信だけとなり、上値が追えないというところです。資産性が高そうな都心や駅チカ物件は、30~40平米でもかなりの高額となります。一人の与信でそこまで届くのか…やはりこのゲームに参加するのであれば、ある程度の年収と職業の安定さが求められます。
最適なタイミング2:結婚直後から第一子妊娠前
妊娠はとてもおめでたいことなのですが、銀行は住宅ローンの貸し出しを渋ります。特に、産休・育休中は奥様側にも時間が多少できたり子どもと向き合う時間の中で、「よし!家を買おう」となりがちですが、夫側の与信だけでは足りずにペアローンで、となっても銀行側が首を縦に振らない可能性が高いです。一部の銀行は育休中でも審査してくれるとのことですが…
この罠は特に、ペアローンで新築マンションの契約をして、鍵の引き渡し・ローン実行までの間に、子どもを授かった時に問題になります。大きいマンションは第1期契約して入居は2年後とかザラにありますからね。
では出産後、いつからなら住宅ローンを組むことが可能になるのか。復職後の給与明細が出てから、となります。しかし復帰直後からフルタイムで働かれる方ならともかく、時短勤務から復帰されるとなると、復帰前よりも与信額が下がることになります。ですので、タイミング3となるのです。
最適なタイミング3:奥様が時短勤務からフルタイムに復帰後
子どもの様子を見ながら、時短勤務からフルタイムに復帰すると、妻側の与信も回復することになります。額だけでいえば、この時点が夫婦で買える最大の物件選定のチャンスとなるでしょう。タイミング2に比べると、完済時年齢は高くなってしまいますが、1に比べると年収が上がっていることも多く、より高額の物件を買えるチャンスとなります。
た・だ・し!住宅ローンを借りられる=返せると言うことではないことにご注意ください。
無理して住宅予算を限界まで引き上げても、その後は「家のために働く」ことになりかねません。何事もほどほどにしておきましょう。住宅ローンの実行が済んだ後の転職など、年収アップを考えても良いかもしれませんね。そういう意味では、
最適なタイミング4:転職・独立前
これは絶対にあります。転職後すぐに住宅ローンは組みづらく、また独立したらしばらくは住宅ローンを組むことができないと考えてよいでしょう。定職についているうちに組んでしまおう住宅ローン。
なお私の住宅ローン年収倍率は11倍です。本当にありがとうございました。
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