地味すぎるあまり、他のブログやサイトで無視されがちな「財形住宅融資」。財形貯蓄制度を使える方に限られるとあって、キラリと光る一面を知らない方も多いかもしれません。
新築マンションは青田買いです。将来完成する予定のものを契約します。超大規模と呼ばれるマンションで長くて3年弱、板状マンションでも2年くらいのものもあります。契約の際には、手付金を払いますが、住宅ローンを実際に借りるのは残金決済のとき。住宅ローン金利は申込時ではなく実行時に確定するものですから、買い手は住宅ローン金利急騰のリスクを背負っていることになります。
画像出典:HARUMI FLAG 公式Webページより
HARUMI FLAG(オリンピック選手村分譲)のように、販売開始が2019年、入居予定が2023年3月のように長期になりますと、この金利急騰リスクは無視できるものではありません。金融緩和に積極的な黒田日銀総裁の人気は2023年4月ですが、永遠の金融緩和がありえない以上、残金決済までの4年間のどこかで金利が上がるということは十分に考えられます。
画像出典:日本相互証券株式会社より
住宅ローンは10年国債の金利に強く影響されます。黒田日銀総裁は10年国債を-0.2~0.2%の範囲に収める方針ですが、2023年まで継続されるかはわかりません。
そこでおすすめできるのが、「財形住宅融資」なのです。金利条件は「5年間固定金利」のみですが、申込時(審査結果のお知らせ時)の金利が適用され、その後5年ごとに見直されることになります。現在、金利予約が使える唯一の住宅ローンです。5年固定0.83%で借りることができます。勤務先によっては利子補給もあります。また「勤務先が財形住宅金融株式会社に出資している企業にお勤め」であれば、0.71%。18歳未満の子育て中家庭であれば、0.51%となります。このあたりは調べておくとよいでしょう。
画像出典:住宅金融支援機構 公式Webページより
画像出典:財形住宅金融株式会社 公式Webページより
ただし、いくつか注意点も。まずこの融資制度は、
- 50万円以上4,000万円以下(10万円単位)
- 購入価額費用の90%以内
- 財形貯蓄残高の10倍以内
という3条件すべてに当てはまる必要があります。4,000万円借りたかったら、一般財形もしくは住宅財形あわせて400万円以上の残高が必要になり、かつ財形を取り崩さずに頭金を10%貯める必要があります。
もうひとつは、上限4,000万円までという制限です。一応、これは回避策がありフラット35と併用することが可能です。組み合わせることにより4,000万円を超え、理論上は購入価格の100%、1億2,000万円まで借りることができます。
???
引き渡し前に先に借りておけってこと?
金利だけ先に払っておくって損しかないでしょ!?
勉強になりました。ありがとうございます。
「黒田日銀総裁は10年国債を0.1%にするという方針を決めていますが、」は正確には誤りですので修正いただいた方が良いかと思います。