マンションを購入検討する時には、めちゃくちゃがんばって調べる人もマンション買って入居すると不思議とマンション管理には無頓着になってしまう・・・分譲マンションあるあるですね。
我らがはるぶー先生は、めちゃくちゃ時間をかけて自分のマンション管理に力を入れられていますが、ブログで管理組合の活動報告しても新築マンション紹介の1/10くらいしか見に来られないって嘆いていました。
そんな本邦の残念なマンション管理、このままいくとどうなるの?ということで、さくら事務所の長嶋会長が書いた本がこちらです。題して「100年マンション 資産になる住まいの育てかた」。管理に手をかければ、住まいは資産になる。著者の以前からの主張ですね。
本書は統計的にこれから世の中で起こっていくであろう、マクロな出来事(若干の題名誇張は感じつつも)を拾い上げ、これからはマンション管理をしっかりしていかないと、廃墟化していくマンションが続出するという未来年表を伴う警告と、先進的取り組みを行うお手本となるマンションを取材して、具体的な5事例をあげています。
マンションは何年持つかといえば、実はまだよくわかってないんですよね。日本初の分譲マンション、四谷コーポラスは築61年で建て替えとなりました。理論的にはきちんとメンテナンスすれば100年は持つはずとのことですが・・・たいていのマンションは大規模修繕工事を2回行ったところで、資金がショートしてしまうそうです。なぜかといえば?お手本のマンションはどうしているのか?それについては、本書をご覧ください。
本書は、本邦のマンション管理がなぜ残念なのか、このままいくとどうなるのかということを非常に読みやすいタッチで書かれています。このような類書ですと、問題と簡単な解決方法を書いた後「最終的には私に相談しなさい」という構造になっていますが、本書はお手本マンション事例を多く挙げられていますし、誰かを絶対悪とも書いていませんし、ウチじゃないととても解決できない!という書きぶりにもなっていません。
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しかし、先進的な5事例のマンションはすべて、管理組合に優れた人が責任ある立場に立って指揮をしてきた結果です。つまり、本書を手に取り読んだあなたが行動しないとあなたのマンションは変わりえない(同じ住民に期待してはいけない)、という残酷な現実を突きつけられます。
人口減少の時代にあって、廃墟化していくマンションと資産価値があるマンションとに二分されていくはず、との氏の主張ですが、管理状態の良し悪しはぱっと見ではわかりませんし、買い手も仲介も、ましてや売り手もわからないとあっては、なかなか値段に反映するのは難しいかもしれません。
そのためには、この写真の5マンションのように他から名前を挙げて取り上げられるマンションになっておく、ということが必要なのかもしれませんね。そんなことができるのって、小規模だと難しく大規模マンションに限られるような気もしますが。
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