ケーススタディ集

居住用不動産の3000万円特別控除と住宅ローン減税は併用すること可能でしょうか?

のらえもん宛に実際に来た相談・質問に対して、個人的な返信後、あらためてブログ上でお答えする、ケーススタディー集です。今回は、実際に来た質問と返答に若干変更を加えた上で公開いたします。

3000万円特別控除を利用しつつ、住宅ローン減税を併用できるとモデルルームで聞きました。この情報は正しいでしょうか?

※東雲のタワーマンション群。特に題意と関係ありません

Q:

はじめまして。
いつもブログやtwetterを読ませていただいてます。是非、以下の相談にのっていただけないでしょうか。
(以下略)

今持っているマンションを売却し、新しく2017年入居のマンションへの買い替えを検討しております。いまのマンションは含み益が出ると予想しています。
この際、モデルルームの販売員より以下の説明を受けました。
「2020年中に売却した場合、3000万円特別控除を利用しつつ新しいマンションの住宅ローン減税を継続できます」

しかし、ネットを調べても「3000万円の特別控除と住宅ローン減税は併用できない」と書いてあります。
この情報は正しいのでしょうか?

A:

その前に、引っ越す前と引っ越した後の住宅ローンってどうなるんですかね?という建前はもう脇に置いといてですね・・・

確かにどこを調べても、3000万円特別控除と住宅ローン減税の併用は不可と書いてありますね。国税庁の該当Webページにはこう書いてあります。

3000万円の特別控除について:

マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。これを、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例といいます。

2 特例を受けるための適用要件
(1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年目を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

No.3302 マイホームを売ったときの特例(国税庁)

住宅ローン控除について:

住宅借入金等特別控除とは、個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得又は増改築等(以下「取得等」といいます。)をし、平成31年6月30日までに自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たす場合において、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。

2 住宅借入金等特別控除の適用要件個人が住宅を新築又は建築後使用されたことのない住宅を取得した場合で、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができるのは、次の全ての要件を満たすときです。
(以下略)
(5) 居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など(租税特別措置法31条の3、35条、36条の2、36条の5若しくは37条の5又は旧租税特別措置法37条の9の2)の適用を受けていないこと

No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(国税庁)

前もこれぼんやり思っていたんですが、きちんと詰めて考えてませんでした。図にするとこんな感じです。こちらの「???」期間部分が穴です。

これについて、税理士に聞いたところ、以下の回答がありました。

のらえもん「3000万円特別控除の適用期間の最後の1年で売却するなら、新居での住宅ローン控除って、もしかして受けられます??」

税理士「いけますよ〜」

のらえもん「え、あっさり?」

つまり、

・いま含み益のある住居を持っている
・そのまま売却して購入、つまり単純な買い替えだと3000万円特別控除か住宅ローン控除のどちらかを選ぶしか無い
・2017年中に引っ越して、2020年1月1日〜12月31日で売却すれば、どちらも受けられる
・売却が2021年1月1日以降になると3000万円特別控除は受けられず、売却益に課税される

ということです。あれ?ということは2017年〜2019年までは人に貸してもいいの?
税理士があっさり回答だったので、心配になり確認を含めて国税に電話をかけて質問しました。

のらえもん「今年に新しいマンションを買って、2020年にいまのマンションを売却し、3000万円特別控除と住宅ローン控除をどちらも受けたいと思います。2017年から2019年までは人に貸しても大丈夫でしょうか」

税務署職員「自分が住んでいた住居を売却する、という条件ですので2017年から2019年まで人に貸しても大丈夫です」

のらえもん「本当に?」

税務署職員「本当です。」

ですので、結論は「3000万円特別控除と住宅ローン減税の両取りは可能です、というモデルルーム販売員の説明は正しかった」ということになります。ただし、税法の穴は塞がれるのが世の常ですので、2020年になったときに塞がれても泣かないようにしてくださいね。。。

また、2020年時にマクロ環境が悪くなって税金よりも売却価格の方が下がってしまっては元も子もない、という結論もありえることは指摘しておきます。

P.S.

私は無料相談受けていますが、税金関係の質問をしないでください。答えることができません。今回質問された方には「税金のことは、税理士か税務署に聴いてほしい」とメール返信しています。

私も行ったことのあるモデルルームでそう案内された、と書かれていたので、検証のためあくまで一般論に置き換えた上で、税理士と税務署にヒアリングし、その結果と検証をこちらに書いております。

実行する際は、必ず専門家にご相談ください。

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コメント

  • コメント (3)

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    • 匿名
    • 2017年 1月 24日

    これは目からうろこ

    • 湾岸民
    • 2017年 1月 24日

    のらえもんさんも言及されてますが、これをやろうとした場合やはり旧宅の住宅ローンがネックになりますね。
    2020年に売却予定の旧宅を三年定借で賃貸に出させてください!と金融機関に打診して了承が得られればいいのでしょうが、深く考えずにこっそり賃貸に出してあとあと痛い目に合う人が出てきそうです。

    • 匿名
    • 2017年 1月 25日

    これはすごい・・・・・

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