マイナス金利の発表以降、「借り替えたい」という人がわんさか出てきました。
「マイナス金利、家計にも波及」日本経済新聞
2016/2/9 18:00 (2016/3/9 18:00更新)/魚拓リンク日銀のマイナス金利政策を受け、住宅ローンの借り換えが急増している。三井住友銀行など主要8行の2月の借り換え申込件数は約2万8千件で、前年同月比2.5倍に増えた。各行が住宅ローン金利を過去最低水準に引き下げたため。
上記日経記事でも触れられていますが、よく言われる「残債1000万円以上、金利差1%以上」でなくとも、この低金利なら元が取れる可能性が高いです。期間が長ければ、金利差0.3%未満でも元手が取れる計算となります。
たとえばコメント欄のこの方の計算
「今は5年固定の金利0.58%、その後の金利優遇は-1.7%ですが、借り換え試算すると、手数料差し引いて、10万プラス、団信のお金が40万以上帰ってくるので、50万ぐらいは得しそうです。まだ借りて1年ちょいで残債結構残ってます。再優遇を受けられるのが前提ですが、大きいですよね。」
なんですが、残念ながら実はこの場合は成り立ちません。他にも同様の相談をいただきましたが、住宅ローン借り換えの際に大きな落とし穴があるからです。
一部の銀行には奇妙な内規がありまして、「2年以内の借り換えは物件時価の7~8割しか担保価値を評価しない」のです。ですので、フルレバレッジでの借り換えは無理で、借り入れの際、頭金3割入れている人しか2年以内の借り換えは事実上できません。逆を返せば2年以上なら担保評価は上がる、ということになります。
2014年の半ばから年末にかけて購入された方はしばらく金利とのにらめっことなりそうですが、日銀はいったん出したマイナス金利をすぐに引っ込める事はなさそうです。日銀の政策的には住宅の新規購入需要を伸ばしたかったはずですが、この目論見はいまのところ外れて借り換え需要の方が過熱しているのは皮肉な事です。借り換えは銀行間の競争だけで需要を生みません、家計を多少暖める効果はあっても銀行収益にはダメージとなりそうです。
(ま、裏を返せば新規借り入れから2年以上経ってる人は、まだ借り替えてないの?ってことにもなります・・・。上記りそな銀行が固定10年借り換えでは最も安い金利を提示しています)
のらえもんさま
いつもためになります。
フラット35Sからの借り換えも同様でしょうか?