ケーススタディ:2
「土日に何回か見学が来るのですが売却になかなか至りません、なぜでしょう?」
画像出典:coneta.jpより。フリー素材のため、題意とは関係ありません
Q:
のらえもんさん、こんにちは。Mと申します。
私は○○マンションに住みながら、現在とある仲介会社さんに売却依頼しています。
土日に見学が何回か来たのですが、売却に至りません。既に4ヶ月経っています。
仲介さんからは「値段をもう少し下げれば売れる」とのことですが、売却依頼の時にもらった資料を見ればほぼ相場通りだと私は考えています。
率直に、なぜ売れないのだと思いますか?
A:こんにちは、のらえもんです。
中古物件は1物1価でして、適正な相場というものはだいたいありますが、10%程度のブレはよくあることですし、それ以上のブレもたまに散見されます。結局、Mさんの部屋をその値段で買いたいと思う方が現れないだけなのでしょう。
ただ、ご相談されたマンションは地域でも比較的大きなマンションですし、今年に入ってからも成約事例がありますからいわゆる不人気マンションではありません。おっしゃる通り出している値段・部屋形状・眺望を考えればだいたい近隣や同じマンションの事例を見ても成約がついて不思議ではありません。
以下の3つの可能性を考えてみましょうか。
- Mさんの部屋より同条件でより魅力的な物件があった
- 見学の申し込みがあるのだが、土日ではないため断った
- 不動産仲介会社が囲い込みをしていて他社からの見学希望を取り次がない
「Mさんの部屋より同条件でより魅力的な物件があった」
ご自身が中古物件を見学に行ったことを想像してみてください。奥様やお子様も同伴されています。2つみて、ほぼ同条件のお部屋です。
一方は、売主が引っ越した後できれいに掃除され、家具も何も無い状態の部屋
もう一方は、売主がまだ住んでおり、部屋は片付いているものの子どものシールやおもちゃが散見される部屋
買主の奥様は、どちら買いたいと言うでしょうか?
不動産はある意味夢を売る商売です。ここに住んだらどんなにいいことがあるのだろうか、便利になって楽だろうな、そんな感じです。夢を売るノウハウは新築パンフレットやモデルルームに山ほど見られます。
家具が何も無く、きれいな部屋を見ればテンションが上がります。逆に売主の生活の跡が露骨に見えてしまう部屋は夢が無く、現実の延長線上です。どちらも相場程度な同条件なら、奥様も私も確実に売主が引っ越した後の部屋を購入するでしょう。むしろ数%程度の差なら空室の方が有利と私は考えます。
ヤフーオークションに例えれば、出品物をきちんと磨いて照明を炊いて写真を撮るようなものです。
ヤフオクでみんながしていることが、なぜ多くの人は実行できないのでしょう?
私なら、仮住まいに引っ越して、壁紙を変えて、自分で風呂と台所を磨きます。
見学の申し込みがあるのだが、土日ではないため断った
見学の多くは土日に集中しますが、最近は土日休みでない職場も増えています。住んだままで、いつでも見学可能にしておかない部屋は、見込み客を逃す可能性があります。
そのためにも、引っ越して空室にすべきです。鍵は仲介店に預けていつでも見学可能にしておけば、仲介さんも案内し易いでしょう。少し希望と違うお客さんでも、部屋を見て気に入るかもしれません。
不動産仲介会社が囲い込みをしていて他社からの見学希望を取り次がない
既に、売却依頼をかけて4ヶ月がたっていますから、当初は囲い込みをされている可能性がありましたが、現時点でも囲い込まれている可能性は低いでしょう(とある大手仲介店は、最初の1、2ヶ月は理由をつけて囲い込むと聞いたことがあります)。
ただし、Mさんが売主手数料無料や半額等の不動産仲介会社に依頼された場合、4ヶ月経ったとしても囲い込みはほぼ間違いなくされています。理由は簡単です。売主が手数料を払わない場合、買主を自分で取り扱わないと収益が出ないからです。詳しくはこちらをご覧ください。
また、自分で相場通りだと考えるのに、契約している仲介店から値下げ以外の方法について丁寧な説明が無いのなら、媒介契約満了(通常3ヶ月)で別の誠意ある仲介店に乗り換えることも検討した方がいいでしょう。
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