住まいスタジアムの相談、三井健太さんから住宅相談員業務を引き継いだ後もまだ続けています。先日、初期のお客様から再相談のご連絡があり、とても印象的でしたので結論をこちらでもメモしておきます。
ご相談の詳しい内容は個人情報で書けないのですが、
- お子さんがいらっしゃらないご夫婦
- ご主人はまだ働いていらっしゃいますが、そろそろ定年年齢も見えてきた頃である
- ご主人が亡くなられたあと、奥さまが100歳まで住めるマンションを考えていた
- いまのマンションは気に入っているが、100歳まで住むとなると築◯年となりさすがに住めるのか不安になった
- そこで、近くで出たタワーマンションに引っ越すべきか、ただし昨今のマンション高騰もあってとても高い
というものでした。話していてとても愛妻家の方と感じました。相談の要旨としてはこのようなことをお話しています。
- 相談内容から、とても奥様に愛情を持っておられるのを感じました!まず、お子さんがいらっしゃらないということは、ご夫婦の資産を引き継ぐ方がいらっしゃらない、引き継がせたい方もいらっしゃらない、ということですよね?
(相談者:そのとおりです) - となると、奥様が亡くなられる100歳の時にタワーマンションを持っているというのは不合理な気がします。というのも、住宅ローンの支払が終わったタワマンは資産なのであの世に持っていけないからです。
- 実は私の今住んでいるタワマンの同じフロアには一人暮らしのおばあさんがいらっしゃいます。フロアでよく会うので会話もするのですが、80いくつで一人暮らしだとおっしゃっていました。彼女は近隣に息子夫婦がお住まいなのですが、最近は訪ねられているのを見たことがみたことがありません。引っ越した当初、彼女はまだしっかりされていて一人暮らしにイキイキとされていましたが、最近はどうも足を悪くされたらしく毎日出歩かずデイサービスを週何度か使われて、車椅子でよく送迎されているところを見ます。車椅子になって外出が極端に減ってしまい、老け込まれてしまって、、、80ちょっとの方ですよ?
- 私、タワマンにそこそこ長く住んでいますが、実は100歳近くまでタワマンに暮らしていらっしゃる方は見たことがありません。もしかしていらっしゃるのかもしれませんが、私が聞く範囲では、サ高住に移られたとか、老人ホームに行かれたとか、そういった方々が多いですね。平均寿命の前にはそこに入られます。
- 少子高齢化が進んでますので、ン十年後にも同じように老人ホームで手厚いサポート、というのがもしかして幻想になっちゃうかもしれませんが、たとえば、85まででタワマンを売却して、手厚いサポートが受けられるところに残りの資産、資金で移り住み余生を過ごす、というのを考えられたほうが言いんじゃないでしょうか。
- なので、主眼としては「新しく買うタワマンが◯年後に売却できそうなほどエリアでも特別なマンションとなっているだろうか」「今お住まいのマンションとの買い替えとどちらが”流動価値ー住宅ローン”の手残りが多くなるだろうか」という計算をすればいいことになります。
- 定年後のキャッシュの手残りやその後の年金ぐらしに入ったときの計算はFPさんにお任せしますが、お考えのタワマンは間違いないと思いますよ。というのも、日本はインフレ基調になっていますから、今後は価値が高そうなものを・今の与信力を使ってなるべく低金利で借りて・ゆっくり返していって最後に精算する、というのが老後の手残りが一番多くなりそうな戦略だからです。
- さて、お考えの間取りの比較ですが〜(ここから個別物件の相談に入る)
というものでした。
私は残す人がいるので、違った考え方もできますが、残す人がいないなら「die with zero」の精神で逆算して使い切る、元気なうちに奥様と趣味や旅行に勤しむ、というのが良いと思いますね。
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