本日、ふと呟いたこのツイートがそこそこ共有されました。

「目線」というのは、買主側が買ってもいい/売主側が売ってもいい両者が考える相場の目安ということですね。のらえもんは売主側からも買主側からもいろいろと相談のメールがくるので、両者の目線はわかっているつもりです。この買主と売主の目線が合わないとマッチングしません。

このところの湾岸在庫の激増は、湾岸地区における不動産仲介店舗の増加による顧客獲得競争の結果だと思っています。車の査定金額は、店舗がすぐに買い取ってくれる値段ですが、仲介店の査定は意味合いが違って、この金額なら買ってくれるお客さんが現れるだろう、という単なる目安でしかないんですね。そして仲介店間競争の激化は、この査定金額が根拠無く上がっていくことを意味しています。

nandemotondemobaikyaku
某サイトより。不動産売却はなんでも鑑定団じゃないんですねー、内実を知っているとこの画像が如何に下品かわかります。

上記のTwitterの「10%」というのは僕の肌感覚でして、ぶっちゃけ根拠無しに呟いたのですが本当にあっているのか気になって調べて見ました。江東区湾岸地域より「豊洲2」「豊洲3」「東雲キャナルコート内(+PTS)」「有明1」の4地域を抽出して、成約事例と現在の在庫をプロットした散布図を作成しています。

まずは豊洲2丁目から。

豊洲2丁目・在庫-成約グラフ1 15年4月-16年4月
[対象マンション:パークシティ豊洲]

各グラフはクリックすると大きくなります

toyosu2_zaikoseiyaku1

これでは傾向がわかりにくいので、坪430以上のプレミアムフロアの億ション以上は省いたグラフを作成した上で線形近似を入れました。

豊洲2丁目・在庫-成約グラフ2 15年4月-16年4月
[対象マンション:パークシティ豊洲]

toyosu2_zaikoseiyaku2

在庫の登録日が去年の秋以降しかなく、成約は春分からあるのでグラフがクロスしていますが、今年に入ってからの在庫と成約のプロットの差を見れば傾向がわかると思います。昨年末から若干値下がり傾向にありますね。一方、在庫は坪350オーバーの売り出しが多いのですが、今年に入ってからはそのレンジの成約は無くなり、現在大体坪30~40万円くらいの乖離が観測できます。

豊洲3丁目・在庫-成約グラフ1 15年4月-16年4月
[対象マンション:シティータワーズ豊洲ザ・ツイン、THE TOYOSU TOWER、シティタワーズ豊洲ザ・シンボル]

toyosu3_zaikoseiyaku1

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坪330を過ぎると極端に成約が細るという全体傾向がわかると思います。1年前からの成約は坪300プラマイ20万円に集中しています。こちらもプレミアムフロアの在庫を消去すると下図の傾向となります。

豊洲3丁目・在庫-成約グラフ2 15年4月-16年4月
[対象マンション:シティータワーズ豊洲ザ・ツイン、THE TOYOSU TOWER、シティタワーズ豊洲ザ・シンボル]

toyosu3_zaikoseiyaku2

線形近似が成約は横一直線なのに対して、在庫は右肩下がりです。これは豊洲3丁目においては売主と買主の目線が合ってきている証拠となります。乖離は坪10以下ですので、あと200万円くらいの値下げで成約する部屋が多いことになります。豊洲2丁目とはまた違った傾向が出ているのが面白いところです。

続いてキャナルコート(+パークタワー東雲)のタワーマンション状況を見てみましょう。この地域はパークタワー東雲とプラウドタワー東雲とそれ以外のマンションで相場が異なっていますので分けてみました。

東京キャナルコート内タワーマンション(築浅タワー除)在庫-成約グラフ 15年4月-16年4月
[対象マンション:Wコンフォートタワーズ、アップルタワー東京キャナルコート、キャナルファーストタワー、ビーコンタワーレジデンス]

shinonome_canal1

Wコン、アップルタワー、キャナルファースト、ビーコンの4タワーですが、散布図で見てわかる通り、相場的には極めて乖離が少ないマンションが多いことになります。特にキャナルファーストタワーは間取りが恵まれていて、かつ価格がこなれているのでこの状況下においては良い選択肢となりそうです。

東雲1丁目 築浅タワーマンション 在庫-成約グラフ 15年4月-16年4月
[対象マンション:パークタワー東雲、プラウドタワー東雲]

shinonome_canal2

この2マンションについては、坪260オーバーの成約も多く別枠扱いとしました。ただ、在庫-成約でプロットをとってみると、ぱっとみ目線があってない在庫も多いことがわかります。成約-在庫ともに少し下がり気味ですね。

最後に有明1丁目の状況も見てみましょう。

有明1丁目も「オリゾンマーレ」「ガレリアグランデ」とその他のマンションと区分けしました。

有明1丁目 在庫-成約グラフ 15年4月-16年4月
[対象マンション:オリゾンマーレ、ガレリアグランデ]

HMGG_zaikoseiyaku

昨年10月くらいの売り出しの影響もあって、近似グラフは在庫が右肩下がりになっています。成約の中心値は230くらいですが、在庫は250くらいなので、乖離は20くらいでしょうか。乖離が20万ということは、額にすると400〜500万円くらいの差になりますから、マッチングはしづらくなりますね。

有明1丁目 在庫-成約グラフ1 15年4月-16年4月
[対象マンション:ブリリアマーレ有明、シティータワー有明、ブリリア有明スカイタワー、ブリリア有明シティータワー]

ariakebrillia_zaikoseiyaku1

この4マンション、成約はかなりしているんですが、在庫の発生がそれ以上なので在庫が積みあがっている状況です。グラフが左側に拡張されているのは1年以上在庫となっている部屋が4つ存在するということです。こちらも買い手と売り手の目線に乖離があるなと思っていたのですが、プレミアムフロア在庫を除くともう少し縮まります。

有明1丁目 在庫-成約グラフ2 15年4月-16年4月
[対象マンション:ブリリアマーレ有明、シティータワー有明、ブリリア有明スカイタワー、ブリリア有明シティータワー]

ariakebrillia_zaikoseiyaku2

成約の平均は坪260で在庫は坪282なので坪22くらいの乖離がありますね。有明は北西かそれ以外の向きかで値段がかなり変わりますので、詳細は見てみないとわかりませんが、乖離値だけ見ればおよそ400~500万円くらい下がった物件から成約が付くといった状況でしょうか。

今回のグラフは「湾岸の不都合な真実」っぽいエントリなのですが、仲介店間競争の激化がむしろ状況を悪化させていることを憂慮してこのエントリを書かせていただきました。いま起こっているのは需給の悪化というよりも目線の違いですね。成約は過去最高ペースに近いので。この地域の中古マンション検討や売却等で悩んでいる方はこちらよりお気軽にご相談ください。消費者側の本音を聞くことが、素人のらえもんにとっての何よりの武器なのです。本音は業者ではなかなか聞けない情報です。

P.S.
結局、成約はしているので我慢比べのような気もするんですよ。ただヒアリングしてみると、経済の先行きが不透明な中、買い手の目線は昨年夏をピークに少しづつ切り下がっていますので、現実を率直に言えば通らばリーチはほぼ通らない状況ですね。下げた物件から徐々に内見が入ってマッチングしているようです。

コメント & トラックバック

このエントリ凄くいいですね
のらえもんさんはかなり購入者の幸せを壊さないよう大人のブログ造りをしていると思いますが、一読者としては根拠無いdisではなくこのエントリのような客観的な事実はとても参考になるので助かります。

とても参考になりました。
タワマンは向きや間取りによっても売れやすさが違ってくると思いますが
豊洲エリアの大勢を把握するには客観的なデータでわかりやすいです。

これは非常に分かりやすい分析ですね。最近の状況が一目瞭然です。引き続き、的確な分析をよろしくお願いします。

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