日経電子版「住宅サーチ」のマンション管理サテライトはたまに読みますが、この記事は的外れかと思います。
第156回 タワーマンションの管理費は割高 スケールメリットはなかった
ただ、すべてが“バラ色”ではない点も知っておく必要がある。入居後に毎月支払う管理費は必ずしも安くないのだ。しばしば「高層マンションはスケールメリットがあるので管理費は割安」といった情報を耳にするが、その情報は正しくない。平均値と比較して3割以上タワーマンションの管理費は高い。購入者にしてみれば頭の痛い話だ。一体どうして、こうも割高になってしまうのか、以下、その理由を実例を交えてご説明しよう。
うーん、もともとタワーマンションの管理費は板状マンションに比べて割高だと思っていた僕は少数派なのでしょうか?超大規模タワーマンションの利点は「戸数が多くなることによって得られる付加サービス」だと思っています。その意味で、管理費が高いのは当たり前で、「払っている金額に見合うサービスが受けられるか?」が重要な問題ではないでしょうか。
記事の中では毎月の管理費を高騰させている一例として、「港区の42階建タワーマンション」が挙げられています。記事を引用しますと、
【表2】は、東京・港区内の42階建てタワーマンションの管理サービスの一部を抜粋したものだ。記載した4項目を単純に合計しただけでも、月額およそ1034万円。年間にすると約1億2400万円ものランニングコストがかかっている。この中に管理会社へ支払う業務委託費は含まれていない。
港区の42階建てマンションは「白金タワー」と「WorldCityTowers」の2つのみ。白金タワーにプールはついてませんから、事例はWCTとわかります。
ご存じない方も多いと思いますから説明しますと、WCTは住友不動産売主の総戸数2090戸。日本で2番目の超超大規模マンションであり、ゲストルームは9つ・ジム・プール・屋上バーベキュー・朝食付き展望ラウンジなどなどなど、ここより共用施設が充実しているマンションは日本にありません。(規模感で並ぶのは勝どきTheTokyoTowersくらい)
この規模で月額1034万円、1戸あたりで計算すると約5000円ですから、膨大な共用施設を持つ割に費用が格安に抑え込まれています。
WCTは管理費が安いことでも有名で、平米あたり200円と湾岸タワーマンションの中では破格の安さです。管理費が高騰する事例に挙げるのは不適当ですし、通常の500戸600戸規模ですと当然ここまでかかりませんから、事例としてやはり不自然です。
たしかに、大規模タワーマンションは管理費がかかります。しかしサービスを受ける対価を支払うのは当然ですし、戸数を束ねることにより、一戸建や小規模マンションでは受けることができないサービスが実現できるのは大きなメリットです。このメリットに魅力を感じるならよいのではないでしょうか。
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