朝日新聞の 2014年8月8日付記事、「東京、そこにある老い」の記事がセンセーショナルだったのか、私のメアドにこの記事どう思いますかと切り抜き付きで質問が寄せられました。湾岸の将来は高島平団地のようになるのでしょうか？

（人口減にっぽん・上１）東京、そこにある老い
朝日新聞・ 2014年8月8日

■大団地、３０年後の湾岸映す

東京湾岸にタワーマンションが並ぶ東京・豊洲（とよす）地区。夕方、保育施設の前は子どもを迎えに来た親でごった返す。
（中略）
豊洲から北西へ約２０キロ。中高層の集合住宅が６４棟ひしめくように立つ東京都板橋区の高島平団地がある。２９年前、この団地の人口構成は、現在の豊洲にそっくりだった。

かつて子どもの遊ぶ声が響いた校庭は昼間でもがらんとしている。住民の陳情で建った高島第七小は２００７年、開校２８年で閉校になった。

１９７０年代、「東洋一の巨大団地」と呼ばれた高島平は、中流層が一気に流入し、満杯の小学校は校庭にプレハブ校舎を建ててしのいだ。幼稚園に入る抽選には長蛇の列ができた。だが、この３０年で地域の人口は３分の２に減り、４割弱が６５歳以上だ。

私はこの問題について、今年の5月20日のエントリ・「湾岸の行く末って多摩や千葉の新興住宅街と一緒なわけ？」にて私なりのファイナルアンサーを出したつもりです。今でもこの結論は変わっていません。

人口減少と今後の急激な高齢化社会の進展に対するリアクション策として、郊外に散らばった住宅地を中心街に呼び戻し安価な公共インフラ（バスや路面電車等）に集約する「コンパクトシティ化」が昨今言われていますが、改めて考えてみれば湾岸地区は超高密度のコンパクトシティといえます。

高度成長期の団地と違うのは、都心への絶対的な近さにより医・食・遊が豊富なことと、オフィス立地も至近であること、住民層の移動が今のところ保たれていることです。この三条件が揃う限り、高島平団地化は避けられそうという感触はあります。
同時に、この地域で育つ・湾岸地域が地元となる子供たちにとっての故郷になっていかなければなりません。

子供たちの故郷になれなかった郊外の団地は、世帯を持った子供たちが帰らずに急速に輝きを失いました。湾岸地域がそうならないための一つのヒントが、地域のお祭り・コミュニケーションだと考えます。

本日、富岡八幡宮の例大祭に行ってきました。勇壮なワッショイの掛け声のもと、他地域よりなんとなく若そうに見える豊洲の神輿が目の前を過ぎていきました。

経済的合理性では説明ができない人情が、街の将来を救うのかな、そんな気がしたお盆の一日でした。

さて、お盆の時期は不動産も全く動かず、ヒマネタもいいところなので、ここ90日間のブログPV数ランキングも公開します（笑）

以前は、新築マンションのエントリが強かったのですが、住み始めてからまだ見つづけてくれる読者様が増えたのか、ニュース性の記事や市況分析などもランキングに入ってくるようになりました。

今後ともよろしくお願いいたします。

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